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こかげ庵の気まま綴り

小6 三角形の面積に苦戦。

 

小6 三角形の面積に苦戦。

 

前回は大学受験を取り上げましたが、今回は小6学力調査のニュースを。

 

「正解率は55%」教育界に激震…小6が直角三角形の面積を求める問題に大苦戦する理由  
(プレジデントオンライン)

 

一部を抜粋します。

 

”正答できなかった子供の多くは、この問題を解くために必要な「底辺と高さ」がどこにあるかを見つけられなかったようです。確かにこの問題では、よくある練習問題のように、「底辺が下」の向きに三角形が描かれていません。”

 

どういうことかと言うと、三角形の面積は「底辺×高さ÷2」で求めますが、

直角三角形の辺の長さが全部書いてあって、三角形を紛らわしい向きで書いてあると、
どの辺を底辺、どの辺を高さにしたらいいか分からなくなる。

ということです。

 

これ、当庵でもあるあるです。

 

底辺の直線と高さの直線は必ず垂直な関係なので、直角三角形の場合、必ず直角を挟んでいる2つの辺のどちらかが底辺、どちらかが高さになります。そして残りの辺(直角部分と向かい合っている辺、いわゆる”斜辺”)は底辺としても高さとしても使いません。

 

でも、その”斜辺”が一番下に書かれた直角三角形(直角部分が上を向いている三角形)の問題が出てくると、斜辺の長さを底辺の長さとして計算してしまったり、混乱してしまって全部の辺を掛けてしまったりする生徒さんが見受けられます。

 

これは、公式として覚えている「底辺×高さ÷2」の「底辺」というものが、「底(そこ)の辺(下にある辺)のこと」だと思っているからです。

 

そう聞くと、いかにも小学生らしいミスのように感じますが、実はこれって僕たち大人も当たり前のようにやっています。

 

人の話を聞いていて分からないことがあったとき、「それ、どういうこと?」とか「それってこういうこと?」と会話の中で聞き返して確認しますよね。

でも確認できるような状況ではないときは、「さっきの話はきっとこういうことだろう」と自分なりに解釈して頭に入れているはずです。

そしてあとで、「え?これってこういうことじゃなかったの?」となることもよくあります。

 

小学生に限らず、自己流な解釈による思い違いは”誰でもいつでもあること”です。

 

先の直角三角形のお話も、図形的な学習機会が不足しているとか、その子の図形認識能力が不足しているとかではなくて、単に自己流に覚えて思い違いしているだけのことが多いです。

 

授業で先生が言っていることをその場で理解できないことは誰だってあるし、確認のための質問をできないことだってあります。そうすれば大人と同様、自己流に解釈します。

つまり思い違いはそんじょそこらで生まれていきます。

 

それが思い違いだと分からないまま、正されないまま学習が進んでいって、思い違いが複雑に絡み合っていって、更にワケが分からなくなる。

やがて自分は頭が悪いものと思い込む(これも一種の思い違い)。

 

そういう生徒さんを何人も見てきました。

 

思い違いは早期発見が一番。

中学での伸び悩みや低迷は、小学校での思い違いが原因になっていることも多々あります。

 

じゃあやっぱり塾通いが必要なのかというと、そういうわけではありません。

小学校での思い違いは、親子のやりとりの中で簡単に正せる場合も多いと思います。

先ほどの「底辺=底の辺(下の辺)のこと」のように、単純な思い違いの場合もあるので。

 

なので、もしもお子さんのテストの結果が思わしくないときは、

 

「勉強が足りてないんじゃないか」

「能力が低いんじゃないか」

 

と思い悩む前に、

 

「なんか単純な思い違いをしているんじゃないか」

 

という視点で、テストの問題と回答を親子で確認してみるのも良いと思います。

 

「なーんだ、そうだったのか」

 

で、すんなり解決するかもしれません。

 

思い違いは、思い違いであることが分かって、正しい認識になればそれで解決ですから。