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こかげ庵の気まま綴り

やる気。その2

 

やる気。その2

 

「そこまで頑張って勉強する意味がわからない、価値が見出せない」と、真剣に思っているお子さん。いわゆる「勉強をやる気のない子」です。

 

「そういうやる気のない子のやる気を出させる」口で言うのは簡単ですが実際どうでしょうか?

 

大人の私たちは、「社会に出て働く」ことを通して、いつの間にか「やる気の対価・報酬」を得るのが当たり前になっています。

 

ですので、

 

生活のため、家族のためにやる気の対価を得る必要があり、そのためにやる気を奮い立たせる。

夢や野心の実現のため、地位や名声のためにやる気を奮い立たせる。

 

などなど、「やる気」を奮い立たせる意味を見出しやすい状況下にいるわけです。

 

でも子供は違います。

 

やっていることに対して報酬という対価をもらっているわけではありません。対価をしいて挙げれば、良い成績をとって周りから褒めれられることくらいでしょうか。

 

生活のため、家族のため、地位や名声のためにやる気を奮い立たせる、ということも普通はありません。

 

夢の実現のため、というのは子供にとってもとても強力な原動力ですが、それほどまで強い夢を抱いている子供ばかりではありません。むしろ今はそういう夢を持てている子の方が少ないかもしれません。

 

ひょっとしたら「友達みんながやってるから自分もやる」という集団心理でやる気を奮い立たせている子が大半を占めているのかもしれません。でも今はそういう集団心理に乗っからない子も増えてきているような気もします。

 

大人の方は想像してみてください。

 

貴方は今、働く必要がないくらい裕福な暮らしをしているとします。

そして今やっている仕事に価値を見出せなくなっているとします。

 

そこでもし、明日からお給料が全く支払われなくなるとしたら。

「やる気」は奮い立つでしょうか?

「やーめた! やる意味ないし」となるのではないしょうか。

 

対価も分からず、やる気を奮い立たせないといけない要素も周りに見当たらない。そういう大人がいたら、やる気を奮い立たせることは容易ではないはずです。

 

これは大人でも子供でも一緒。子供だからやる気を出すことは簡単なはず、なんていう道理はありませんよね。それくらい、やる気を生じさせるのは難しいこと。

 

そして。

「やる気が生じていない子供たち、勉強する意味や価値を見いだせていない子供たち」は、
先の例え話のような、大人だって頑張れないような状況下で、日々頑張っています。

「やる気のない子供たち」って、実は大人でも大変なことをやってるんです。

 

僕たち大人は、まずそのことをわかってあげないと。です。