親の役割。
親の役割。
先日、衝撃を受けたニュース。
未成年の自殺増、18年599人 @共同通信社(記事が削除されたのでリンクを外しました)
10代の自殺で特定できた原因・動機。その1番の原因が「学校」。
10代の生活時間(睡眠時間を除く)で一番を占めるのが学校なので、これは何となく見当がつきましたが、その内訳を見て驚きました。
その7割近く、68%が「学業不振と進路・入試の悩み」。
僕はてっきり「いじめ・体罰」や「友人関係」が多いと思っていたので(ニュースでよく取沙汰されるので)・・ちょっと衝撃でした。
これって、もはや学校に原因があるのではなくて、「学業が不振だったり進路が思わしくない」⇒「これからやっていく(生きていく)自信がない・生きる意味がない」と子供に思わせてしまう社会そのものに原因があるように思います。
今は、ほんのひと握りの人たちが桁違いのお金を手にすることができて、そのゴージャスぶりがテレビやネットで面白おかしく取り上げられる時代です。
でも裏を返せば、ひと握り以外の人たちはいつもどこかもがいていたり苦しんでいたり、もっとはじかれてしまうとその華やかさと対極の世界に押し込まれてしまう時代でもあります。
で、これから未来がやってくる子どもたちがそういう世の中の実態を知ったとき、魅力を感じるのか、恐怖や不安を感じるのか・・大半は後者だと僕は思います。
だからみんな、はじかれる側にならないように、なるべく安全圏の上位にいられるように、道から外れないように努力する。そして、努力することに疲れたり、目指していた道から逸れてしまったり、自分に適性がないと思った子は、自分には輝かしい未来はやってこない、自分には先が無いと思ってしまう。なかには思いつめて自らの命を絶ってしまう子もいる・・。
本当はね、ひと握り以外の人たちだって、苦しいことがあったとしても日々の喜怒哀楽の中で強く生きているわけなんです。でもそれは情報としては薄くて、結果、ゴージャス人生や苦悩の人生が情報として大きく取り上げられて、その二極を子供たちは吸収してしまう。だから進んでいた道が塞がったときに、もう行き場がないと思ってしまう。
そういう今の子供たちに僕ら大人ができることは、「努力し続けなくていい」「逸れてもいい」と伝えていくこと。
もちろん今の社会は、適性のない人をはじいていく社会だし、抱いていた夢を叶えられなくなることもあるかもしれない。
「それでも道はあるんだよ」「それでも道は拓けるんだよ」
「人生、腐らず生きてりゃどうにかなるよ」
って伝えていくことなんじゃないかなって思います。
僕が子供の頃は情報自体が多くなかったし、大人の情報と子供の情報がきっちり分かれていました。そして大人たちはその情報をもとに、我が子が社会に適合して幸せな人生を歩めるようにと、「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」「ああしなさい、こうしなさい」と指南するのが親の役割でもありました。
今はもう時代が違います。
子供たちは自分で情報を入手して考えます。
社会に適合するために自分はどうあるべきか、小学生のうちからみんな分かっています。
かつての親がやっていた、道を指し示すような指南は今はさほど必要ないのかもしれません。
下手すりゃ子供を追い詰めるだけです。
でも描いていた道から外れた時にどう対処するかという知恵は子供は持ち合わせていません。
行き詰まりを打開する力。ここはやはり経験に勝る大人に分があります。
なので、親の役割も時代とともに変わってきているように思います。
「道は1本じゃない。いろんな道があるよ。」
「どんな道を進もうが、私はあなたを応援するよ。」
「やってみたらいいよ。」
”先回りして道案内する役割” から、
”後ろにいて背中を押す役割” へ。
変わってきているように思います。