滝沢市にある個別指導塾 ― 盛岡市近郊・滝沢市・雫石町 ―

こかげ庵の気まま綴り

その後。

 

その後。

 

以前、気まま綴りに書いた不登校生。

 

不登校生をめぐるおかしな世界。

 

カウンセリング当初は、親御さんは学習支援を望んでいるものの、本人が塾や家庭教師というものに乗り気ではありませんでした。しかも、1年以上病院以外に外出することなく(体調が悪くなるため外出できず)引きこもりの毎日を送っていたため、僕が生徒さん宅に訪問する形に。

 

それもそうですよね。学校をはじめとしたこれまで接してきた大人たちにことごとく違和感を感じ(彼の言葉を借りると”偽善”を感じ)、そのたびに自分の殻に閉じこもってしまう状況が続いていたわけですから。

 

初めて会った日。以前も書いた通り、僕には彼が健全な心の持ち主にしか見えなかったし、実際に会話も弾んで楽しく過ごしたんですが、帰りに玄関先で「また来るねー」と笑顔で別れたあと、見送りに来てくださった親御さんが感慨深げに一言。

 

「あの子が人前であんな笑顔を見せたの、何年ぶりだろう?」

 

初めて会った日は、そういう状況でした。

 

その後。

 

訪問して談笑して少し勉強、を続けていくうちに、徐々に薬から離れ、体調もだんだん良くなっていき、少しずつ外出できるようになり・・・

 

今は毎週、こかげ庵に来て元気に学習支援を受けています。みっちりと。薬も今は全く飲んでいないそうです。

 

そしてなんと、学校という場に対して心身ともに拒絶反応を示していた彼が、今は単位制の学校への進学を目指しています。

 

前の記事の最後に書いた、

 

「どちらの目が澄んでいるんだろう」

 

という問いかけに対する、ひとつの答えがここにあるように思います。

 

僕自身、エラそうなことを言えるような人間では決してないけれど、

 

「先生と話して、初めて信用できる大人に会った気がした。そして人生が変わった。」

 

という彼の言葉は、僕の宝物です。

 

(追記。無事合格したそうです!「相性。」)